case study 1

尾張旭にいのみ
内科消化器内科クリニック 
新家卓郎先生

内科 消化器内科 | 愛知・尾張旭市

「一歩先の未来を見て、
半歩先へ着実に進む」

新家卓郎先生の座右の銘は「段取り八分」。「段取りがしっかりできたら、仕事の8割は終わったと言える」と意味するこの言葉を大学時代の親友に聞いた時から意識し、開業準備にも生かされています。

その中で大切なテーマは「誰と働くか」。 あと1カ月半で開業を迎える現状について尋ねた時の「おかげさまでなんとか順調です」の一言には、信頼できる人々とともに作り上げてきた新しいステージへの希望や喜び、自信に満ちあふれていました。

「誰と働くか」を肌で感じる、
多くの人に恵まれた勤務医時代

まず最初に、
医師を志された動機を教えてください。

小学生の時に大好きだった祖父が入院を繰り返していた影響です。段々と体が弱っていき、そのうち気管切開して人工呼吸器に繋がってしまいました。当時は全く理解できていなかったのですが、今考えると筋萎縮性側索硬化症ALSという病気で、今でも難病とされる病気でしたね。祖父が亡くなると色々と家庭環境も変わりました。そんなこともあってか、心理学とか病気について興味が湧き、医学部に行けば勉強できるかなと思ったのがきっかけです。

消化器内科を選ばれたのは
どのような思いから?

選択肢に制限がなく、身内に医師がいなかったため具体的な理想像も思い浮かばず、とても悩みました。自分の特性として、物事を戦略的に考え患者さんの心理面を理解するのが好きなことはわかっていたので、それを生かせるように。消化器内科は最も多くの臓器を扱い、患者さんも非常に多くみえます。症状としても腹痛や嘔気、吐血や下血など多彩で、癌が見つかることも。病気にかかると色々な人生プランに変更が必要ですし、心理的にも大きな負担になります。これは本人はもちろんですが、家族にも言えることで、家族構成や死生観とか本当に多くの要素を考慮しながらの対応は重責ではありますが、非常にやりがいを感じました。

医師としての使命ですね。

そうですね。また、内科の中では最も検査や治療方法が多いため、一人で幅広い業務を行い、まさに手に職をつけるという点でも魅力的でした。専門科目を真剣に悩んだ末の最終的な決め手は、消化器内科の先生方のキャラクターです。他の病院や科なども見学した時にどこの病院の消化器内科の先生方も明るい方が多く感じられ、「誰と働くか」を重視している自分には選択するのに十分な理由になりました。

基準は「何をやるか」ではなく、
「誰と働くか」。

初期研修から勤務医時代まで多くの優秀な上司や同僚に恵まれて、共鳴しながら貴重な経験をさせていただきました。「名古屋記念病院」の消化器内科では医師の基礎を鍛えていただき、消化器内科のオールラウンダーを目指す道へ。肝臓分野の専門的な知識を深めたいと名古屋大学の医局に相談し、東海地方で有名な「大垣市民病院」に行かせてもらい、そのご縁で「名古屋大学医学部附属病院」の消化器内科肝臓研究室に入りました。その後は瀬戸にある「公立陶生病院」から開業に至り、今振り返ってもキャリアの選択を間違えずにここまで来れたことは非常に運がいいし、その中で出会った多くの先生方やスタッフのおかげだと思っています。

「忙しいけど、毎日楽しい」
開業した友人の言葉がきっかけ

開業を考えるようになられたきっかけは?

僕の開業意欲が高まったのは管理職2年目、病院全体で自分のできることを考えていた時期です。指導者という形が増え、自分が磨いてきた内視鏡技術を直接提供する機会が限られてきていたため、「もっと多くの患者さんに実際に向き合えたら」という気持ちが強くなっていましたね。ちょうどその時期に開業した友人から診療のことで相談を受ける機会がありました。開業について色々と教えてくれて、「開業して忙しいけど、やりたいことをやっているから毎日楽しいよ」という言葉が自分を後押ししたのです。

そして、開業を決意されて...。

決意したという言葉を発する前に、「自分がなぜ開業したいのか」「本当に開業したいのか」「今の仕事が嫌になっただけの逃避としての選択か、他の選択肢はないのか」「開業した際のリスクや成功率はどうなるか」などを熟考しました。開業にはやはり家族の協力や理解が必要です。物事を進める前にこれらの答えを自分の中に持った上で、家族にきちんと説明しなくてはいけません。僕の意志を最初に妻に伝えた時には反対され、経済的に不安定になることへの具体的な心配事を聞き、解決策を調べて話し合いを重ねました。仕事人としては信頼してくれていると思っていたので、熱意を丁寧に伝えて、最終的には自分のわがままを受け入れてもらいましたね。

開業に向けて、
実際に動き始められたのは?

開業を考え始めて1週間ほどで、開業した友人の担当者さんを紹介していただいたり、他の開業支援の方との面談を行ったり、パートナー選びから着手しました。開業についてはわからないことが非常に多く、業者さんとの面談や選択すべき事項も山積みで、働きながらではあまり時間がありません。例えば、医療機器やシステムなどの判断にあたっては性能の違いや予算なども考慮しますが、ほぼ同じ性能で金額の近い場合は、担当者さんの熱意や仕事への向き合い方を言葉や対応から判断し、自分が信頼できると思う人、会社を選ぶようにしました。

「V・drug」は事業の基本、
土地関係の心強いサポーター

開業地はどのように決められましたか?

やはり開業地は、最重要事項の一つです。自宅から通いやすく、「公立陶生病院」と連携できるエリアで探しました。多くの紹介案件は一つずつ自分なりに精査、実際に現地へ行き、地域性や生活動線などを考えドラッグストアとの協業を選択。「V・drug 城山店」隣接地の物件は、医療機器メーカーからの提案になります。担当者さんから具体的な説明を受けて「V・drug」の中でも老舗の店舗と知り、地域にずっと根付いている認知度や集客力の高さに期待が持てました。

「V・drug」の開業支援で
心強かったことは?

「V・drug 城山店」の土地は複数の地主さんが関係しており、「V・drug」の担当者さんには開業に向けた地主さんとの面談調整や契約書作成なども協力していただきましたね。土地関係は挨拶を含めてきちんと取引したいという思いがありました。こういった契約は素人ですので、安心して任せられたことは本当に心強かったです。支援という言葉が当てはまるように、こちらの意図を正確に汲み取った迅速な対応で、できるだけのことをしていただき感謝しています。

消化器内科の地域密着型
オールラウンダーとして

開業に向けてコンセプトは考えられましたか?

後悔しない開業のためにも、選択のミスマッチを防ぐ明確なコンセプトをあらかじめ決めておくことが大事です。当院は自分の得意な内視鏡検査に重点を置き、最新の内視鏡装置を導入しました。患者さんにとって精度の高い検査を楽に受けていただきたいと思っています。検査への抵抗感を和らげることで、胃がんや大腸がんの早期発見に努め、苦しむ人を一人でも減らせるようにしたいです。

診療方針やクリニックのイメージはありますか?

消化器内科のオールラウンダーとして内視鏡検査だけでなく肝疾患や胆膵疾患についても、そして総合内科専門医として内科疾患全般においても培ってきた知識や経験を多くの方に提供していきます。病気の時も検診の時も患者さんに安心感を与え、おなかのことなら「尾張旭にいのみ内科消化器内科クリニック」と思っていただけるくらいに、地域に根ざした信頼されるクリニックに早くなりたいですね。

理想を形にするために、
一番苦心されたことは?

設計ですかね。「安心して通院できるクリニック」を目指し、自分がイメージする診療において患者さんやスタッフの動線を設計士さんに伝えて、それを図面にしていただいて、その修正を繰り返す...。途中で考えが変わったり、人からアドバイスを受けて追加したい部屋が出てきたりもして、限られた広さの中で設計士さんにはご無理を聞いていただきました。また、コロナ禍でのウッドショックにより、材料費の高騰や納期の遅延にひやひやする場面も。信頼できる業者さんとの出会いでなんとか乗り切りました。

信頼できる人とともに、
段取り重視の開業

これからの医療のあり方について
考えをお聞かせください。

集患のために野立て看板を設置せず、Webを活用しています。Web問診やWeb予約をはじめ、ホームページでのコミュニケーションを大切に、来院までのきめ細やかなサービスも心掛けました。「V・drug」は生活動線上にあり認知度が高く、待ち時間に買い物できるという有利な立地はもちろん、企業規模が大きいので、電子処方箋などシステムのオンライン化が進んでいく社会背景を考えても安心感があります。最近の診療報酬改定などを見ていると、明らかに今まで以上に薬局との連携が必要になることは間違いありません。

まもなく開業となり、
今の心境はいかがですか?

開業にあたっては、すでに開業して成功している多くの友人からの的確なアドバイスや、「V・drug」の担当者さん、各方面の経験豊富な専門家の方々にプロの仕事をしていただいたと感じています。「公立陶生病院」のスタッフには僕の不在時の対応をしてもらい、家族の協力も支えになりました。次は僕の番です。開業とは、経営者となること。自由な部分もありますが、責任も大きくなります。信頼できる仲間と力を合わせて自分が納得できる医療を提供し、患者さん、スタッフ、関わる企業などのためにもなる事業を、覚悟をもって運営していきたいです。

やはり大切なのは「誰と働くか」ですね。

よく言われることだと思いますが、開業することは簡単、開業してからが大変です。医師は社会的信用があるため開業について融資なども含めて、まだまだ開業しやすい恵まれた環境だと準備期間にも感じました。今後はクリニック数が増える一方で、外来患者数は減っていく状況にあります。新時代を生き抜くために自分が納得できる医療を提供するには、信頼できる仲間と力を合わせてしっかりパフォーマンスを出さないと、十分な結果も満足度も得られません。それに楽しくないと続かないですから。

profile

新家卓郎

藤田保健衛生大学(現 藤田医科大学)医学部卒業。名古屋記念病院、大垣市民病院、名古屋大学医学部附属病院でオールラウンダーの消化器内科医を目指す。公立陶生病院消化器内科部長に就任後、開業。

尾張旭にいのみ
内科消化器内科クリニック
所在地 愛知県尾張旭市城前町1-10-12
アクセス 名鉄瀬戸線「尾張旭駅」徒歩16分
科目 消化器内科 内視鏡内科
肝臓内科 肛門内科
TEL 0561-56-7782
URL https://www.niinomi-clinic.com/
開業日 2022年4月6日