case study 1

みずの内科・外科
クリニック 
水野史人先生

内科 循環器内科 外科 心臓血管外科 |
岐阜・岐阜市

「 娘が一人前になった時に、『がんばったね』と褒めてもらえたら 」

通いやすく、通いたくなる、街のお医者さん。理想のクリニックを形にしたような木の温もりと緑を感じるおしゃれなデザインの建物が、「V・drug 領下店」の敷地内に誕生しました。「みずの内科・外科クリニック」は駐車場に面した大きな窓から明るい光が差し込み、清潔感ある院内空間が見える地域に開けたクリニック。「白衣は苦手」という気さくな院長の水野史人先生が、医療用スクラブ姿で迎えてくれ、身構えずに診察を受けられます。

開業を間近に控えたクリニックを訪問し、休日のリラックススタイルが似合う水野先生にお尋ねした、今の心境は? 「人生における次のステージを楽しみながら想像し、常に生きてきました。イメージよりもずっと良いクリニックができあがり、怖いようなうれしいような気持ちです」と話します。開業という新しいステージには、クリニックや地域、家族、自分の夢など様々な思いが込められていました。

妻と相談して、地域に開かれたクリニックを形に

素敵なクリニックですね。
開業後のイメージはありますか?

気軽に相談しに行ける場所という思いが一番強いですね。地域のかかりつけ医として、診療所の与えられた役割を当たり前にできれば。来院の理由は、例えば「先生、そこで転んじゃった。血が止まらない」「夕飯の支度をしていて、火傷しちゃった」など、どんな些細な症状やお困りごとでも構いません。今はコロナ禍なので難しいですが、数年前の病院はおじいちゃん・おばあちゃんが集まる場所でもありました。何かあったらすぐに頼れる味方として、まずは「みずの内科・外科クリニック」に相談してみようと利用していただければありがたいですね。大きな病院と連携し、患者さんが安心して治療を受けられるようにしたいです。

水野先生の温かい雰囲気も、
気軽に相談できそうな気がします。

医者って、取っ付きづらいじゃないですか。そして患者さんの立場で考えると、病院にかかる時は誰もが不安だし嫌ですよね。医者と患者さんの距離感をできるだけ近くして、緊張せずに頼ってもらえるようにしたいです。医者と言っても数ある職業の一つなので、偉いわけでも何でもない。患者さんの手当や手助けをするのが、私たち医療従事者の使命。だから、勉強して学んだ知識を教える。「大丈夫だよ」と伝えて、不安を和らげる。医者の道を選んだ自分が与えられた環境でベストを尽くす。そう思って、自分を戒めています。

その思いが
患者さんの安心につながりますね。

受付もツンケンされるより、「今日はどうされましたか?」と笑顔で聞かれる方がいい。今度うちの受付に入職するスタッフが、志望動機に「自分が病院にかかった時に、辛そうだから奥で休みますかと言われた経験があって、そんな対応ができる事務員になりたい」と書いてあり、そういうのって大事だなと。看護師も、もちろん医者の私もですよね。

大学病院で実感した、予防と初期対応の大切さ

医師の仕事に就かれた
きっかけを教えてください。

最初は歯科医である父の影響です。小さいころは漠然と歯医者さんになるのかなと、レールに乗っていたような気がしていましたが、私が10歳の時に、母方の祖父が家の中の事故に遭って。階段からの転落により、2日間ほど意識が戻らないまま他界。それが子ども心にショックで、医師を目指すようになりました。

そして、
外科医の世界へ進まれたのですね。

静岡県出身で、石川県の金沢医科大学を卒業し、金沢医科大学病院の心臓血管外科に入局。重症心不全の患者さんをICUで多く診させてもらいました。いろいろな病気があってそれぞれ大変ですが、心臓血管系の病気は特に痛みもなく、目にも見えず、静かな進行なので怖いです。糖尿病・高血圧・脂質異常症などの基礎疾患は、予防段階で抑えていくことが大切。医療機関に早い段階で相談する、定期的に健康診断を受けて改善していく。私がどこまでできるかは別ですけれど、大事に至らないように身近な診療所レベルでできる限り対処していきたいです。

仕事と家族の時間、ライフスタイルを見直し

石川の大学病院から、なぜ岐阜へ?

医師になって3年目に、岐阜県垂井町にある関連病院の一般外科に出向となり、それを機に結婚した妻と一緒に大垣へ引っ越し。数年後、金沢医科大学病院に戻り、仕事中心の忙しい日々を送りました。その後、娘が生まれたころから徐々に独立を考え始め、大学病院を辞めようと決意。研修医時代の恩師に相談したご縁から、岐阜県の博愛会病院の血管外科に受け入れていただきお世話になりました。

そして、勤務医から開業医へ。

子どもが生まれて、ライフスタイルの考え方が変わったのですね。家族の時間を大切に、家を建てようと。生活拠点を岐阜に移し、病院で救急診療や他の対応をいろいろ経験させてもらって、自分の中でこれまでと違う景色が見えてきたのです。妻に開業の相談をした時、「今の生活とこれからの苦労をよく考えて、納得がいくように決めて」と言われました。そこでカッコつけて言うわけじゃないですけれど、医者という職業の自分ができるチャレンジがあったらやってもいいんじゃないかと、覚悟が決まりましたね。

開業の準備は、
いつから進められたのでしょうか?

2年くらい前です。なんのツテもないので、インターネットでリサーチを開始。自宅を建ててもらったハウスメーカーの開業支援部門に相談し、どんどん話が進みました。そこから紹介された不動産会社に「ドラッグストアが誘致しているところは、比較的リスクを減らせる選択肢だ」と聞いて。これからはリタイアされた医院を継承していく時代で診療所も増えますから、イチから土地を探して経営するのは大変です。自分の中にあったドラッグストアの候補に加えて、「V・drug」の名前が挙がりました。

地元の大手ドラッグストアと組み、リスク軽減

その中で、
「V・drug」を選ばれた理由は?

岐阜市は開業医に人気の比較的高いエリアです。自分で土地を借りるかも迷いましたが、私が開業に求めたのはリスクを極力抑えること。ここは岐阜県に本社がある「V・drug」のいわばお膝元であり、地元でのノウハウが豊富な大手企業が誘致する場所はきっと信頼できるだろうと。他力本願なところもありますが、出店は当たり前にリサーチするでしょうし、マーケティングデータは大手企業の方が絶対多く持っている。私が行う診療圏調査やリサーチなんか比じゃないですよね。せっかくいい話があるのなら利用しなければならないと、「V・drug」に候補地をいくつか紹介してもらいました。

そこで、現在の開業地に決められたのは?

立地はすごく大事なので、いろいろ勉強して悩みました。「V・drug」の候補地にも実際に行ってみて人通りや周辺環境を確認しましたが、「V・drug 領下店」の敷地はなぜここが空いているんだろうと思うほどとても良い場所。駐車場の前に踏切があり、絶対に一時停止しないといけないから視界に入りやすい。そして、駐車場には雨の日でも引っ切りなしに車が出入りします。

なるほど。
日常生活のシーンを想像できますね。

昨年の夏に、隣接したスーパーマーケット「バロー」が建て替えにより増床リニューアルしたことも、私の背中を後押ししてくれました。スーパーを建て替えてまでリニューアルすることはなかなかないので、ここがきっと流行っていて、バローグループが将来的な客入りの見込みを感じているのだろうと。開業は不安が付きまとうので、人が入る確信が欲しいじゃないですか。ポツンと一軒家じゃなくて人が集まる地盤に建てることができるなら、私がやっても入るんじゃないかと。日常にスッととけ込む立地が良いなと思いました。

関わるすべての人が笑顔になれる場所を目指して

テナントではなく、戸建てにされたのは?

私のクリニックのイメージはこれなんです。見栄ですね(笑)。クリニックの理念は、人と人とのつながりを大切に、関わるすべての方が笑顔になれる場所。患者さん、薬局、ハウスメーカー、関連業者、そして何より働くスタッフがまず笑顔に。さらに家族と自分が一番笑っていたいですね。娘も成長するにつれ、父親の職業を自覚するようになってきて、働く姿を見せられるのがうれしい。つい先日ここで遊びながら、「私、お医者さんになる。『みずの内科・外科クリニック』で働く」と言ってくれて。娘がどういう道を歩むかわかりませんが、一人前になった時に「お父さん、がんばったね」と褒めてもらえたらうれしいです。

今後が楽しみですね。

夢は叶う、って大それたことを言うつもりはないですが、登ろうと思って登れる場所があるなら、登ってみたい。今までの人生は次のステージを楽しみながら想像し、常に理想と現実にもがきつつ生きてきました。医学生になる自分、医者になる自分、結婚する自分、仕事中心だった生活の中で子どもが生まれて親になる自分、次の自分はなんだろう...。思い浮かぶのは、娘に褒めてもらっている自分ですね。このクリニックを建て、診察室の椅子に座らせていただいて、今の私にできることは支えていただいた方々への恩返しです。

これから開業される先生たちに
メッセージをお願いします。

「V・drug」の担当者さんには、細かい場面でも様々なアドバイスをいただいています。開業って、ものすごいパワーを使いますよね。今の準備段階でさえいろいろなことを自分でやらないといけなくて、倒れそうなくらい(笑)。コロナ禍で結局中止にしましたが、例えば内覧会の記念品を注文しなくてはいけないとか、1日24時間しかない中で悩む時間を少しでも削れるのは心強いです。経営の勉強を始めて間もないずぶの素人が、判断に困ることもしばしば。何事も餅は餅屋で、大手企業に頼れる部分はおまかせしたいのが本音です。今後開業される方々にも、「一人で悩まずに頼れる人に頼った方がいい」とお伝えしたいですね。

profile

水野史人

金沢医科大学を卒業後、主に金沢医科大学病院で心臓血管外科を専門に従事。金沢医科大学心臓血管外科学講師を務める。特定医療法人博愛会 博愛会病院勤務を経て、開業。

みずの内科・外科クリニック
所在地 岐阜県岐阜市領下5-63-2
アクセス 名鉄各務原線「細畑駅」徒歩11分
科目 内科 循環器内科 外科 心臓血管外科
TEL 058-259-6777
URL https://mizuno-imsclinic.com
開業日 2021年5月13日